読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

そろそろ仕事を辞めたい

”あと3年で仕事を辞めたい”と何年も前から思い続けている男の日記

勝手に勘違いした話

12月17日(土)、新日本プロレス後楽園ホール大会が開催された。
2016年内最終興行ということで、1.4に向けて前哨戦が繰り広げられたが、異色なカードが一つあった。
それは、「中西学 vs 永田裕志

”第3世代”と呼ばれるベテラン勢の2人によるシングルマッチ
中西選手はレスリング五輪代表というスポーツエリートとして入団した。恵まれた身体から生み出される圧倒的なパワー殺法と、時に理解不能の動きをすることから”野人”と呼ばれたが、まさにその呼び名がピッタリの選手である。
不器用さ故か団体の頂点を決めるベルト戦線に絡むことが非常に少なかったが、不器用ながらも実直なその姿にファンは多く、初めてベルトを巻いた時は後楽園ホールが爆発したかもような歓声に包まれたこともあった。

しかし重度な怪我を負い、幸いにも復帰はしたものの、動きは全盛時には戻らず、近年は前座戦線に長く甘んじていた。個々の技量体力が試されるシングルマッチからも3年以上遠のいていた。
来年の1月には50歳を向かえる中西選手。選手寿命が比較的長いプロレスラーであっても、50歳は高齢の部類だ。体もかつてのように動かず、次々と若手も出て来る環境の中、試合も組まれにくくなってきていた。そのような経緯の中、先日急に「シングルマッチをやりたい」と永田選手へ直訴。プロレスに必要なストーリーを全く無視したあまりにも急な展開だったが、年内最終戦に組まれることになった。



そして迎えた試合、今時のスピーディなプロレスとは違うゴツゴツとした「大きい身体で力一杯相手にぶつかる」というまさに昔の試合だった。
往年の技を一つ一つかつ力強く仕掛けていくその姿に、「もしかして今日が引退試合のつもりなのか?」との思いが頭をよぎる。プロレスは 1.4東京ドーム大会をもって新年を向かえるが、中西選手はその大会にカードが組まれていない。であれば、年内最終興行というキリの良い大会である本大会で何かしらの決意をしてもおかしくはないはず。
そう思うと、いつもより技の仕掛けが丁寧な気もする。普段は見せないリスクの高い技も仕掛けている。対戦相手の永田選手もその想いを受け止めるかのような動きをしているように見える。
私はこの2人の動きを一挙手一投足見逃さないように画面を見つめていた。これがきっと中西選手の最後の試合になるに違いないから。私の目も少しうるみ始める。ガンバレ。もっとできる。その私の心の声に応じるように中西選手も奮闘する。そして私を含めて多くの人が応援していた往年の強かった時代の中西選手の姿と重なってくる。しかし13分33秒。中西選手の全てを受けきった永田選手が敬意を払うかのように必殺技で中西選手から勝利を奪った。
健闘を称え合う2人。ありがとう中西学。ありがとう永田裕志。現在のプロレスから消えつつあった熱い闘いを見せてもらった。
そんなリング上の2人を見ていたところ、中西選手が人差し指を立てる。これは「もう一回やろう」の合図。
なに!引退じゃないの?てっきり引退試合だと思って勝手に妄想して、勝手に目を潤ませて、勝手に感謝の意まで心で伝えていたのに。
試合後のコメントを見ると、永田選手は「引退するのかとも思った」。中西選手は「まだまだやるぞ」とのこと。

やはり野人。我々一般人には思いもよらない思考回路だった。
単純にシングルマッチがやりたくなったということなのかも。

しかし今回の中西選手は見事だった。まだまだやれる。(”いつもやっておけ”と思わないでもない)
この突然のシングルマッチが気になっていたが観戦できなかった人も多いとは思うが、来年も中西選手はやるそうです。ファンの皆様どうかご安心を。